最初の章

Ⅶ 再会

もはやヨアキムの心には「どのくらい長くここに居たのか」などという雑念が紛れ込む余地はなかったので、地獄の刑期をどのくらいこなしたのか不明です。しかし、ある朝(?)、一心不乱に看守の足音を聞き取ろうとしていたヨアキムは、何かが違うことに気づきました。実際には、集中力の達人ヨアキムの集中が破れて「何かが違う」と気づくまでには、とんでもない時間が経っていたのかも知れませんが、とにかく異変に気づいたのです。牢獄のドアが開いています。

とんでもなく長い時間をかけて、ヨアキムは廊下に出てきました。あの看守が入って来る恐怖ドアは開いています。

またもやとんでもなく長い時間をかけてドアから出て、うっすらと光の差し込む廊下を進み、階段を上がり、廊下を進み、階段を降りて当てもなく彷徨い廊下の角を曲がると、そこには真っ白に塗られた長い長い廊下があり、その先には、白い服を着たあの二人組の姿がありました。

ヨアキムはふらふらと二人に近づいて行きます。ヨアキムの心は、あまりにも長い間、恐怖と痛みと身体を取り戻すことへの執着に集中してきたので、感情というものも、期待というものも無くしてしまっています。

二人の表情には、「お裁き」の時のような厳しさは無く、その目には、むしろ励ますような雰囲気が感じられます。二人は、柔らかな口調でヨアキムに言葉をかけました。

しかし、ヨアキムの心はあまりにも専門性を高めていたので、また、あまりにも長い間、言葉というものに接したことが無かったので、二人の言葉は、長い長い時間をかけて、ヨアキムの心にしみこんでいったのでした。

 

長かったな、ヨアキム。

半分済んだぞ!


終わり!